「民間保険って、本当に入ったほうがいいの?」
保険について考えたとき、そんな疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
私自身、以前は保険について詳しく考えず、保険の営業担当者からすすめられた保険に加入していました。
ところが、あとになって自分が加入している健康保険の制度や保障内容を調べてみると、**付加給付などによって、公的な保障が思っていた以上に手厚いこと**を知りました。
そこで改めて加入している保険を確認すると、公的保険で保障される部分まで民間保険でカバーしており、必要以上の保険料を支払っていたことに気づきました。
この経験から、保険に入る前にまず確認しておきたいのが、「公的保険でどこまで保障されるのか」ということです。
民間保険は、何かあったときのすべてを任せるものではありません。
まず公的保険で受けられる保障を確認し、そのうえで貯蓄や資産で対応できる部分を考え、それでも不足する保障を民間保険で補う。
この順番で考えると、自分に本当に必要な保障が見えやすくなります。
この記事では、民間保険と公的保険の違いから、公的保険で受けられる保障、民間保険が必要になるケース、そして必要以上に保険へ加入しないための考え方まで解説します。
民間保険とは?
民間保険は、公的保険では足りない部分を補うための保険
民間保険とは、民間の保険会社が提供している保険です。
生命保険や医療保険、がん保険、就業不能保険、個人年金保険など、さまざまな種類があります。
民間保険の大きな役割は、**公的保険だけでは十分に備えられない部分を補うこと**です。
病気やケガ、死亡、働けなくなった場合など、生活の中にはさまざまなリスクがあります。
こうしたリスクに対して、公的保険には一定の保障があります。
一方で、公的保険だけではすべての費用や生活上のリスクをカバーできるわけではありません。
そこで、不足する部分を貯蓄や資産で備えたり、民間保険を利用したりします。
つまり、民間保険に加入するかどうかを考えるときは、
「保険に入るか」ではなく、「どの保障が不足しているか」
という視点で考えることが大切です。
公的保険と民間保険の違い
公的保険と民間保険は、どちらも病気やケガ、死亡などのリスクに備えるものですが、仕組みや役割が異なります。
| 項目 | 公的保険 | 民間保険 |
| 仕組み | 公的な制度として運営される | 民間の保険会社が提供する |
| 加入 | 制度に応じて加入する | 原則として任意で加入する |
| 保障内容 | 制度によって定められている | 契約内容によって異なる |
| 負担 | 保険料や公費などによって支える | 契約に応じた保険料を支払う |
| 主な役割 | 社会全体で生活上のリスクを支える | 公的保障などで不足する部分を補う |
公的保険は、医療や年金、介護など、生活に関わるさまざまなリスクを社会全体で支える仕組みです。
一方、民間保険は、自分が必要だと考える保障を契約によって準備するものです。
そのため、同じ「保険」でも役割は同じではありません。
民間保険に加入する前に、公的保険を知ることが大切
民間保険を検討するとき、保障内容だけを見て「これなら安心」と考えてしまうことがあります。
しかし、その前に確認しておきたいのが**公的保険の保障内容**です。
たとえば、病気やケガをした場合には、公的医療保険によって医療費の自己負担が抑えられる仕組みがあります。
また、健康保険によっては、法律で定められた給付に加えて「付加給付」が設けられている場合もあります。
このように、公的保険には制度ごとにさまざまな保障があります。
公的保険で受けられる保障を知らないまま民間保険に加入すると、必要以上の保障を付けてしまう可能性があります。
だからこそ、民間保険を考えるときは、
- 公的保険でどこまで保障されるか
- 貯蓄や資産でどこまで対応できるか
- それでも不足する部分は何か
という順番で考えてみましょう。
不足する部分が明確になれば、民間保険で備える必要がある保障も見えてきます。
次の章では、まず公的保険でどこまで保障されるのかを確認していきます。
公的保険ではどこまで保障される?
民間保険を検討する前に、まず確認しておきたいのが公的保険で受けられる保障です。
病気やケガをしたとき、医療費の負担を軽減する仕組みがあるほか、働けなくなった場合にも一定の給付を受けられる制度があります。
また、加入している健康保険によっては、法律で定められた給付に加えて「付加給付」が設けられている場合もあります。
公的保険の保障を知らないまま民間保険に加入すると、必要以上の保障を重ねてしまう可能性があります。
ここでは、民間保険を考える前に知っておきたい主な公的保障を確認していきましょう。
公的医療保険で医療費の自己負担を抑える
病気やケガで医療機関を受診した場合、公的医療保険によって医療費の自己負担が一定割合に抑えられます。
さらに、医療費の自己負担が高額になった場合には、高額療養費制度を利用できる場合があります。
高額療養費制度は、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が、年齢や所得に応じて定められた上限額を超えた場合、その超えた額が支給される制度です。
そのため、「大きな病気になったら医療費がすべて自己負担になる」と考えるのではなく、まず公的医療保険によってどこまで負担が抑えられるのかを確認することが大切です。
ただし、公的医療保険ですべての費用が保障されるわけではありません。
治療内容によっては、公的医療保険の対象とならない費用が発生することもあります。
そのため、医療保険などの民間保険を検討するときは、公的医療保険でカバーされる費用と、対象外となる費用を分けて考えることが重要です。
健康保険によっては「付加給付」がある
公的保険を確認するときに、ぜひチェックしておきたいのが付加給付です。
付加給付とは、健康保険組合などが、法律で定められた保険給付に加えて独自に行う給付です。健康保険組合では、規約に基づいて法定給付に上乗せする形で付加給付を行うことができます。
たとえば、医療費の自己負担について、健康保険組合独自の給付が受けられる場合があります。
ただし、すべての健康保険に同じ付加給付があるわけではありません。
付加給付の内容や条件は加入している健康保険によって異なるため、自分が加入している健康保険の制度を確認する必要があります。
私自身、以前はこの付加給付について知りませんでした。
あとになって自分の加入している健康保険を調べたことで、思っていたよりも公的な保障が手厚いことを知りました。
そして、改めて自分の民間保険を確認すると、公的保険で保障される部分まで民間保険でカバーしていたことに気づきました。
この経験からも、民間保険に加入する前に、自分が加入している健康保険の保障内容を確認することが大切だと感じています。
「健康保険に入っているから大丈夫」と一括りにするのではなく、加入している健康保険組合や保険者に、どのような付加給付があるのかを確認してみましょう。
病気やケガで働けなくなった場合にも公的保障がある
病気やケガによって仕事を休み、十分な給与を受け取れなくなった場合には、健康保険から傷病手当金が支給される場合があります。
傷病手当金は、病気やケガで仕事を休んでいるときの生活を支えるための公的な保障の一つです。
そのため、働けなくなったときに備える民間保険を考える場合も、まず傷病手当金などの公的保障を確認しておくことが大切です。
ただし、公的保障だけで休職中の生活費をすべてまかなえるとは限りません。
家賃や住宅ローン、食費、教育費など、毎月必要になる生活費は人によって異なります。
そのため、
- 公的保障でどのくらい補えるのか
- 貯蓄や資産でどこまで対応できるのか
- それでも不足する金額はいくらなのか
という順番で考えると、自分に必要な保障を整理しやすくなります。
公的保険を確認してから民間保険を考える
ここまで見てきたように、公的保険には医療費の負担を抑える仕組みや、働けなくなった場合の給付など、さまざまな保障があります。
さらに、加入している健康保険によっては、付加給付によって法定給付に上乗せされた保障を受けられる場合もあります。
だからこそ、民間保険を検討するときは、いきなり「どの保険に入るか」を考えるのではなく、
①公的保険で受けられる保障を確認する
②貯蓄や資産で対応できる金額を確認する
③それでも不足する保障を考える
という順番が大切です。
公的保険で受けられる保障を知ることで、民間保険で本当に備える必要がある部分が見えやすくなります。
次の章では、公的保険だけでは足りない部分を、貯蓄・資産と民間保険を使ってどのように備えるかを考えていきます。
公的保険だけでは足りない部分をどう備える?
公的保険にはさまざまな保障がありますが、すべての費用や生活上のリスクをカバーできるわけではありません。
そこで大切になるのが、公的保険で足りない部分をどのように備えるかという考え方です。
不足する部分をすべて民間保険で補う必要があるわけではありません。
まずは貯蓄や資産で対応できるかを考え、それでも大きな不足が残る場合に、民間保険を検討します。
公的保険で保障されない費用を確認する
病気やケガをした場合、公的医療保険によって医療費の自己負担が抑えられます。
しかし、医療にかかる費用のすべてが公的医療保険の対象になるわけではありません。
また、病気やケガをしたことで収入が減った場合には、医療費とは別に生活費の問題も出てきます。
そのため、民間保険を考えるときは、
「病気になったらいくら必要か」
と考えるだけではなく、
「公的保険でどこまで保障され、何が不足するのか」
を確認することが大切です。
働けなくなったときの生活費を考える
病気やケガで働けなくなった場合、医療費だけでなく、収入が減ることも家計に大きな影響を与えます。
会社員などの場合は、傷病手当金を受け取れる場合があります。
ただし、働けない期間の生活費をすべて公的保障だけでまかなえるとは限りません。
そこで、まず現在の生活費を確認してみましょう。
家賃や住宅ローン、食費、光熱費、教育費など、毎月どのくらいのお金が必要なのかを把握します。
そのうえで、
- 公的保障で受け取れる金額
- 現在の貯蓄や資産
- 働けない期間に必要になる生活費
を比較すると、不足する金額が見えてきます。
不足する金額が大きく、貯蓄だけでは対応するのが難しい場合には、就業不能保険などの民間保険を検討する方法があります。
死亡した場合に家族が必要とするお金を考える
自分が亡くなった場合に、家族の生活にどのくらいのお金が必要になるのかも考えておきたいポイントです。
特に、配偶者や子どもがいる場合は、残された家族の生活費や教育費などを考える必要があります。
一方で、遺族年金などの公的保障を受けられる場合もあります。
そのため、生命保険を検討するときも、いきなり「いくらの死亡保障が必要か」と考えるのではなく、
必要な生活費や教育費などの金額から、公的保障や現在の資産を差し引いて考える
ことが大切です。
たとえば、
家族に必要なお金 − 公的保障 − 貯蓄・資産 = 不足する金額
と考えると、民間保険で備える必要がある金額を整理しやすくなります。
貯蓄で備える方法も選択肢の一つ
リスクに備える方法は、民間保険だけではありません。
ある程度の貯蓄があれば、突然の出費や一時的な収入減少などに対応できます。
たとえば、少額の医療費や家電の故障、急な出費など、発生したときに貯蓄から支払える程度のリスクまで保険にすると、保険料の負担が大きくなることがあります。
そのため、**「起こる可能性があるか」だけではなく、「起きたときに自分の貯蓄で対応できるか」**も考えてみましょう。
貯蓄で無理なく対応できるリスクであれば、必ずしも保険で備える必要はありません。
保険は「すべてのリスク」に備える必要はない
保険は、起こったときに家計への影響が大きく、自分の貯蓄だけでは対応するのが難しいリスクに備えるために活用すると考えやすくなります。
反対に、起こる可能性があっても、貯蓄で十分に対応できるようなリスクまで保険でカバーすると、必要以上に保険料を支払うことになる場合があります。
大切なのは、「何が起きても安心できる保険」を探すことではなく、「自分では対応できない大きなリスクは何か」を考えることです。
公的保険・貯蓄・民間保険の3つで考える
ここまでの内容を整理すると、リスクへの備えは次の3つに分けて考えることができます。
| 備え方 | 役割 | 考えるポイント |
| 公的保険 | 制度によって一定の保障を受ける | 自分が利用できる制度を確認する |
| 貯蓄・資産 | 自分で対応できる費用を備える | どの程度の資金があるか確認する |
| 民間保険 | 公的保障や貯蓄で不足する部分を補う | 大きな不足があるか確認する |
この3つを順番に確認すると、民間保険にどこまで頼る必要があるのかが見えやすくなります。
公的保険で受けられる保障を確認する。
↓
貯蓄や資産で対応できる部分を考える。
↓
それでも不足する大きなリスクを民間保険で補う。
この考え方が、必要以上に保険へ加入しないための基本になります。
次の章では、実際に自分に必要な民間保険を考えるために、5つのステップに分けて整理していきます。
民間保険が必要か判断する5つのステップ
ここまで見てきたように、民間保険は公的保険や貯蓄などで不足する部分を補うために活用します。
では、自分に民間保険が必要なのか、必要だとしたらどのくらいの保障が必要なのか。
ここでは、5つのステップに分けて考えてみましょう。
STEP1|公的保険で受けられる保障を確認する
まずは、自分が加入している公的保険で、どのような保障を受けられるのかを確認します。
たとえば、病気やケガをした場合の医療費や、働けなくなった場合など、リスクによって利用できる制度が異なります。
健康保険に加入している人は、付加給付の有無も確認しておきましょう。
「公的保険があるから大丈夫」と考えるのではなく、自分の場合はどこまで保障されるのかを具体的に確認することがポイントです。
STEP2|現在の貯蓄や資産を確認する
次に、現在どのくらいの貯蓄や資産があるのかを確認します。
同じリスクが起きたとしても、十分な貯蓄がある人と、ほとんど貯蓄がない人では、必要な保険の保障額は変わります。
たとえば、数十万円程度の支出であれば貯蓄から対応できる場合、そこまで保険で備える必要はないかもしれません。
一方で、長期間働けなくなる、家族の生活費を長期間支える必要があるなど、貯蓄だけでは対応が難しいリスクもあります。
そのため、「自分の貯蓄でどこまで対応できるか」を確認しておきましょう。
STEP3|起きたときに家計への影響が大きいリスクを考える
次に考えたいのが、実際に起きた場合に家計へ大きな影響を与えるリスクです。
たとえば、
- 長期間働けなくなる
- 自分が亡くなり、家族の収入が減る
- 大きな治療費やその他の費用が発生する
などがあります。
すべてのリスクに同じように備える必要はありません。
「起きたら家計が大きく困るものは何か」を考えると、優先して備えるべきリスクが見えてきます。
STEP4|不足する金額を考える
次に、公的保障や貯蓄・資産で対応したあとに、どのくらい不足するのかを考えます。
考え方はシンプルです。
必要な金額 − 公的保障 − 貯蓄・資産 = 民間保険で補う必要がある金額
たとえば、家族の生活を維持するために必要な金額が1,000万円あり、公的保障で300万円、貯蓄・資産で200万円を準備できるとします。
この場合、
1,000万円 − 300万円 − 200万円 = 500万円
となり、500万円が不足することになります。
この不足分を、民間保険でどこまで補う必要があるのかを検討します。
ただし、実際に必要となる金額は、家族構成や収入、資産、公的保障などによって異なります。
そのため、ここでの金額はあくまで考え方を理解するための例です。
STEP5|不足する部分だけ民間保険で補う
最後に、公的保障や貯蓄・資産では対応できない部分を、民間保険で補うことを考えます。
ここまで整理すると、必要な保険が見えてきやすくなります。
たとえば、
- 医療費への備えが不足している
- 働けなくなった場合の生活費が不足する
- 自分が亡くなった場合に家族の生活費が不足する
など、不足するリスクによって検討する保険も変わります。
大切なのは、「保険に入ること」ではなく、「不足している保障を補うこと」です。
必要以上の保障を付けるのではなく、自分の家計にとって本当に不足している部分を確認してから、民間保険を検討しましょう。
「必要な保険」ではなく「必要な保障」から考える
保険を選ぼうとすると、「医療保険に入ったほうがいい?」「生命保険はいくら必要?」など、保険の商品から考えてしまいがちです。
しかし、先に考えたいのはどのような保障が必要なのかということです。
たとえば、
「病気になったときに、どのくらいのお金が必要なのか」
「働けなくなったときに、毎月いくら不足するのか」
「自分が亡くなった場合、家族にいくら必要なのか」
というように、まず必要な金額を考えます。
そのうえで、公的保障や貯蓄・資産で対応できる金額を差し引けば、民間保険で補う必要がある金額が見えてきます。
保険商品を先に選ぶのではなく、必要な保障を先に考える。
これが、必要以上の民間保険に加入しないための大切な考え方です。
ライフステージによって必要な保障は変わる
必要な保障は、年齢や家族構成、収入、貯蓄などによって変わります。
そのため、一度加入した民間保険を、そのまま何十年も持ち続ければよいとは限りません。
結婚や出産、住宅購入、子どもの独立、退職など、生活環境が変わったときには、現在の保障が自分の状況に合っているか確認してみましょう。
独身の場合
独身の場合は、自分自身の生活を守るための保障が中心になります。
たとえば、病気やケガで働けなくなった場合に、生活費をどのように確保するのかを考えておくことが大切です。
一方、自分が亡くなった場合に生活費を必要とする家族がいないのであれば、高額な死亡保障が本当に必要なのかは慎重に考える必要があります。
まずは、公的保障と貯蓄でどこまで対応できるのかを確認しましょう。
結婚した場合
結婚すると、自分だけではなく配偶者の生活も考える必要が出てきます。
夫婦のどちらかが働けなくなった場合や亡くなった場合に、家計へどの程度の影響があるのかを確認してみましょう。
共働きなのか、一方の収入に大きく依存しているのかによっても、必要な保障は変わります。
子どもが生まれた場合
子どもが生まれると、生活費だけでなく教育費など、将来必要になるお金も増えていきます。
特に、家計を支えている人に万一のことがあった場合、残された家族の生活や教育にどのくらいのお金が必要になるのかを考えることが重要です。
ただし、必要な保障額は家庭によって異なります。
現在の貯蓄や資産、公的保障、配偶者の収入などを確認したうえで、不足する金額を考えましょう。
住宅を購入した場合
住宅を購入すると、住宅ローンの返済が家計に加わります。
住宅ローンを利用する場合、団体信用生命保険(団信)に加入するケースがあります。
団信に加入している場合、契約内容によっては、住宅ローンの返済中に死亡したときなどに住宅ローン残高が保障されます。
そのため、住宅購入後は、住宅ローンと団信の内容を確認したうえで、現在加入している死亡保障が必要な金額になっているかを見直すことが大切です。
子どもが独立した場合
子どもが独立すると、これまで必要だった教育費や子どもの生活を支えるための保障が減る可能性があります。
そのため、子どもの独立後も以前と同じ保障が必要なのか、一度確認してみましょう。
保障を減らすことで、保険料の負担を抑えられる場合もあります。
退職・老後の場合
退職すると、現役時代とは収入や生活環境が変わります。
また、子どもの独立などによって、必要な保障も変わっている可能性があります。
老後は、現在の貯蓄や資産、公的年金などを確認しながら、今後どのような費用が必要になるのかを考えることが大切です。
現役時代に加入した保険をそのまま継続するのではなく、現在の生活に本当に必要な保障なのかを確認してみましょう。
ライフステージが変わったら保険も見直す
ライフステージが変わると、必要な保障も変わります。
たとえば、
| ライフステージ | 確認したいポイント |
| 独身 | 自分が働けなくなった場合の生活費 |
| 結婚 | 配偶者の生活への影響 |
| 子どもの誕生 | 生活費や教育費、万一の際の家族の生活 |
| 住宅購入 | 住宅ローンや団信の保障内容 |
| 子どもの独立 | 教育費がなくなった後の必要保障 |
| 退職・老後 | 貯蓄・資産・公的年金と今後の生活費 |
重要なのは、「このライフステージならこの保険」という決め方をすることではありません。
同じライフステージでも、収入や貯蓄、家族構成、公的保障などによって必要な保障は異なります。
ライフステージが変わったときは、**「今の自分に必要な保障は何か」**を改めて確認してみましょう。
そして、必要な保障を考えるときは、これまで見てきたように、
公的保障 → 貯蓄・資産 → 不足する部分を民間保険で補う
という順番で考えることが大切です。
必要以上の民間保険を避けるためのチェックポイント
民間保険は、必要な保障を備えるために役立つ一方で、保障を増やしすぎると保険料の負担も大きくなります。
「保険は多いほど安心」と考えるのではなく、現在の自分に本当に必要な保障なのかを定期的に確認することが大切です。
ここでは、民間保険に加入するときや見直すときに確認したいポイントを整理します。
公的保険で保障される部分まで加入していないか
まず確認したいのが、公的保険との重複です。
病気やケガ、働けなくなった場合など、公的保険には一定の保障があります。
さらに、加入している健康保険によっては付加給付を受けられる場合もあります。
公的保険で受けられる保障を確認しないまま民間保険に加入すると、必要以上の保障を付けてしまう可能性があります。
そのため、保険を検討するときは、
「この保険で備えようとしているリスクは、公的保険ではどこまで保障されるのか?」
を確認してみましょう。
複数の保険で保障が重複していないか
複数の保険に加入している場合、同じような保障が重複していることがあります。
たとえば、医療費への備えとして複数の医療保険や特約を付けている場合などです。
それぞれの保険について、
- どのような場合に保険金・給付金を受け取れるのか
- いくら受け取れるのか
- 保障期間はいつまでなのか
を確認してみましょう。
保障内容を一覧にすると、重複している部分や不足している部分が見つけやすくなります。
貯蓄で対応できるものまで保険にしていないか
すべてのリスクを保険で備える必要はありません。
たとえば、ある程度の貯蓄があり、発生したとしても家計に大きな影響を与えない程度の支出であれば、貯蓄から対応する方法もあります。
保険に加入する前に、
「この費用が発生した場合、貯蓄で支払えるか?」
と考えてみましょう。
貯蓄で無理なく対応できるリスクまで保険で備えると、結果として保険料の負担が大きくなる可能性があります。
保険料が家計を圧迫していないか
必要な保障であっても、保険料を無理なく支払い続けられるかは重要です。
毎月の保険料が大きくなると、貯蓄や将来の資産形成に回せるお金が少なくなることもあります。
そのため、保険料だけを見るのではなく、
「この保険料を何年、何十年と払い続けても家計に無理がないか」
という視点でも考えてみましょう。
保険を選ぶときは、現在の保険料だけでなく、保障がいつまで続くのかも確認しておきましょう。
保険期間や更新後の保険料を確認する
特に更新型の保険では、更新後に保険料が変わる場合があります。
「今の保険料なら払える」と考えるだけでなく、
- 保険期間はいつまでか
- 更新はあるのか
- 更新後の保険料はどうなるのか
- 年齢が上がったときにも払い続けられるか
などを確認しておくと安心です。
ライフステージが変わったら見直す
結婚、出産、住宅購入、子どもの独立、退職など、生活環境が変わると必要な保障も変わります。
以前は必要だった保障が、現在はそれほど必要ではなくなっている場合もあります。
反対に、家族が増えたり収入の状況が変わったりしたことで、新たに備える必要が生じる場合もあります。
そのため、ライフステージが変わったときには、現在加入している保険を一度確認してみましょう。
民間保険を見直すためのチェックリスト
最後に、保険を新しく検討するときや、現在加入している保険を見直すときに確認したいポイントをまとめます。
| チェック項目 | 確認すること |
| 公的保険との重複 | 公的保険でどこまで保障されるか |
| 付加給付 | 自分が加入している健康保険に付加給付があるか |
| 保障の重複 | 複数の保険で同じ保障が重なっていないか |
| 貯蓄での対応 | 貯蓄で対応できるリスクまで保険にしていないか |
| 必要保障額 | 本当に必要な保障はいくらなのか |
| 保険料 | 家計に無理なく支払い続けられるか |
| 保険期間 | いつまで保障されるのか |
| 更新 | 更新後に保険料が変わるか |
| ライフステージ | 現在の生活環境に保障が合っているか |
保険を選ぶときは、保険会社や保険商品の名前から考えるのではなく、まず「何に、いくら備える必要があるのか」を考えることが大切です。
そして、公的保険や貯蓄・資産で対応できる部分を確認したうえで、不足する保障だけを民間保険で補うようにすると、必要以上の保障を避けやすくなります。
保険は「多いほど安心」とは限りません。
必要な保障を、必要な分だけ備える。
その視点で、現在の保険を一度確認してみましょう。
まとめ|公的保障を知り、不足する部分だけ民間保険で備えよう
民間保険は、病気やケガ、死亡、働けなくなった場合など、生活上のさまざまなリスクに備えるためのものです。
ただし、すべてのリスクを民間保険だけで備える必要はありません。
まず確認したいのは、公的保険でどこまで保障されるのかということです。
公的医療保険や高額療養費制度、傷病手当金などのほか、加入している健康保険によっては付加給付を受けられる場合もあります。
そのうえで、現在の貯蓄や資産で対応できる部分を考え、それでも不足する保障を民間保険で補うことが大切です。
考え方を整理すると、
公的保険で受けられる保障を確認する
↓
貯蓄・資産で対応できる部分を確認する
↓
不足する部分を民間保険で補う
という順番になります。
私自身、以前は保険について詳しく確認せず、すすめられた保険に加入していました。
その後、自分が加入している健康保険の制度を調べ、付加給付があることを知ったことで、思っていたよりも公的な保障が手厚いことに気づきました。
そして、加入している民間保険を改めて確認すると、公的保険で保障される部分まで保険でカバーしており、必要以上の保険料を支払っていたことにも気づきました。
この経験からも、保険に入ることを先に考えるのではなく、まず自分が受けられる公的保障を知ることが大切だと感じています。
保険は、加入している数が多いほど安心とは限りません。
大切なのは、自分にとって必要な保障を、必要な分だけ備えることです。
これから民間保険への加入を考えている人も、現在加入している保険を見直したい人も、まずは公的保険の保障内容と現在の貯蓄・資産を確認してみてください。
そのうえで不足する部分があれば、民間保険を選択肢の一つとして検討してみましょう。


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